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俺と先輩と時々BL



「おい、こっちへ来い」
「やだ」

 今いい所なんだからね。だって今俺が握っている携帯画面の向こうではワンコ攻めが受けに告白しようとしてるんだよ!
 このゲームはまだ攻略ルートが解明されてないから、かなり頑張って落としたんだよ。何故なら、このワンコキャラは隠しキャラだからね。あ、キスしようとしてるスチル出た!マジ萌えますよ!うへへ…

「はぁ…またゲームしているのか?」

 呆れた声で言われても、今は先輩よりゲームのが大事なんです!俺にとっては何よりも萌え補給が大事!だいたいそのためにこんな田舎の全寮制男子高校に入学したんだからさ!

「聞いてるのか?」

 なのになのに、一体全体今の状況は何なんだろうね…
 耳元で囁かれるバリトンのエロボイスは最近人気の声優並みの破壊力を持ってして俺の腰を砕けさせるわけですが。

「…まだ俺よりゲームがいいのか。まぁ、しばらくはそれで我慢するか…」

 そんな事を言いながら俺の腰にがっちり腕を回して、自分に引き寄せて抱きしめるこの人。なんでこんなありえないほど美形の先輩が、平平凡凡な俺なぞに構うのかは全く持って謎だよ。

 先輩、生BLは自分相手では萌えられないんだけどー!俺あくまで傍観者がいいのです!だから先輩、今すぐそのへんのかわいこちゃんを攻めてください!

 …とは言えないのが俺のチキンハートだったりするわけですが。

「…あ、終わっちゃった。」

 先輩の事を考えていたからせっかくの告白シーンを半分くらいしか見てなかった気がする。まぁいいか…またやろう。

「すんだのか?」
「あ、はい。」

 頭上からかかる声に返事をしながら見上げれば、ホッとした顔をして俺の頭を撫で顔を寄せてきた。額に触れる唇が3秒ほど留まってから離れていく。
 キスされるのはいい加減慣れてきてしまったけれど、先輩その手でシャツをめくるのやめてくれませんか。さすがにこれは抵抗しないと危険だ!
 そういう事は親衛隊のかわいこちゃんとかにしたらどうなんですか!…あ、先輩は親衛隊設立を拒否したからないんだった。残念すぐる。

「何してんですか、先輩。」
「ん?いや、ゲームがすんだなら今度は俺を構えよと思ってな。」
「や、なんでそうなってシャツめくるのか謎なんですけど。…ひゃぁ!」

 先輩の手が脇腹をするりと撫でたので、変な声が出ちゃったじゃないか!俺の声なんて、気持ち悪いだけですよーやめた方がいいですよー

「色気のねぇ声だな。ま、すぐよくなるから俺にまかせておけばいい。」
「…や、だからそうじゃなくて、俺なんかよりもっとかわいい子とかにしてくれませんかね。平凡な俺を食べても美味しくないと思いますし?」
「それを決めるのはお前じゃなくて俺だろ?」
「…はぁ、まぁそうですけど…っじゃなくて!」
「俺はお前がいいんだよ。…好きだ。」
「っ!」
「とりあえず、今日は味見だけな?」

 不意打ちのような告白に息を飲めば、色気のある笑みを浮かべながら先輩の顔が至近距離に迫ってきた。ゼロ距離とかありえません。そして本気で嫌だと思わない俺自身もありえません!


 これってアレかな、腐男子受けってやつ?




その2

2010/09/04